ムコ多糖症Ⅱ型 はやとくんご家族インタビュー
【第3回】 情報収集・SNS・これから 「情報がない」から、自分たちの経験を伝える

2026年9月29日 公開


診断後、ご家族が直面したのは、病気そのものだけではありません。


「どの情報を信じればいいのか」「同じ病気の家族はどうしているのか」「利用できる制度は何か」といった、情報を探す難しさもありました。


第3回では、診断後の情報収集、制度の手続き、Instagramでの発信、患者家族同士のつながり、そしてこれから大切にしたいことについて伺います。

目次

【第2回】治療と日常生活――治療を受けながら、学校で暮らす

1.診断後、検索しても「知りたい答え」が見つからなかった

2.「将来どうなるか」を知りたい。でも、年上の患者さんの情報が少ない

3.制度はあっても、「どう使うのか」まで自動的に分かるわけではない

4.Instagramを始めたのは、「自分たちの経験も残したい」と思ったから

5.SNSの向こう側に、同じ病気の家族がいた 🔏

6.国内だけではなく、海外の家族ともつながった 🔏

7.情報発信で大切にしているのは、「推測しない」こと 🔏

8.「今の時間」を大切にしながら、これからを考える 🔏

9.診断直後の家族へ。「今なら、以前とは違う道もある」 🔏



1.診断後、検索しても「知りたい答え」が見つからなかった

診断後、ご家族はムコ多糖症Ⅱ型についてインターネットで調べました。ところが、検索結果には古い文献や情報も多く、特に予後について厳しい内容が書かれたものを目にすると、大きな不安につながりました。

実際に主治医から説明を受けると、インターネットで見た内容と実際の状況には大きな差があると感じたそうです。その経験から、「最新の情報が整理された、信頼できるサイトが検索上位に出てきてほしい」と感じています。


診断直後は、病名を検索するだけでも多くの情報が出てきます。しかし、情報が多ければ安心できるとは限りません。「今の自分たちに関係する情報はどれか」「古い情報なのか、新しい情報なのか」を判断すること自体が負担になることがあります。

ご家族は、古い情報を見続けることが精神的な負担になる場合もあると感じています。現在は、病気について毎日のように検索するのではなく、本人の状態に変化があったときや、必要なことが出てきたときに調べるようになりました。


「情報をたくさん集めること」そのものが目的ではなく、必要なときに、信頼できる情報へたどり着けること。


その重要性を、診断後の経験から感じています。


2.「将来どうなるか」を知りたい。でも、年上の患者さんの情報が少ない

ご家族が現在も感じているのは、はやとくんより年上の患者さんについての情報が少ないことです。

どのような経過をたどり、どのような生活をしているのか。将来を考えるために参考にしたいと思っても、十分な情報が見つからないといいます。


視力をほぼ失ったことも、ご家族にとって事前には想像していなかった出来事でした。

病気について調べていても、これから本人に何が起こるのかをすべて予測することはできません。


そのため現在は、常に先のことを調べ続けるというより、その時々の状況に合わせて必要な情報を探し、対応する姿勢になっています。それでも、同じ病気の年上の方がどのように過ごしているのかを知ることができれば、一つの参考になると感じています。


3.制度はあっても、「どう使うのか」まで自動的に分かるわけではない

はやとくんは、療育手帳A、身体障害者手帳1級を取得しています。

難病に関する制度なども含めると、ご家族は5~6種類ほどの制度を利用・申請しています。


手続きは一か所で完結するわけではありません。

役場で手続きできるものもあれば、療育手帳の知的面の判定のために別の機関へ行く必要があるもの、県の福祉課など別の窓口に行くものもあります。

さらに、それぞれ申請・更新の時期が異なります。通知が届くたびに、「これは何の手続きだっただろう」と確認することもあります。

お父さまからは、印鑑を押すだけのために出向くような手続きもあり、不便に感じるという話もありました。


制度が存在していても、必要な人が迷わず使えるとは限りません。ご家族は、できれば通知や手続きをまとめ、一か所で対応できるような仕組みになってほしいと感じています。


病院への通院や日常の介助がある中で、別々の場所へ何度も足を運ぶことは、それ自体が負担になります。制度ごとに窓口や更新時期が違うため、病気や生活の情報だけでなく、手続きのスケジュールも家族が管理しなければなりません。

必要な制度があっても、申請方法が分かりにくかったり、更新が複数に分かれていたりすると、利用する側の負担は増えます。

ご家族の話からは、「制度の有無」だけでなく「使いやすさ」も重要であることが分かります。


4.Instagramを始めたのは、「自分たちの経験も残したい」と思ったから

情報が少ないと感じる中で、ご家族はInstagramでの発信を続けています。

背景にあるのは、「自分たちの経験も一つの例として残したい」という思いです。年上のムコ多糖症Ⅱ型の患者さんに関する情報が少なく、将来を見通しにくかった経験があるからこそ、今のはやとくんの生活や治療、視力を失った後の変化などを記録しています。


ただし、ご家族は、自分たちの経験をすべての患者さんに当てはまるものとして発信しているわけではありません。経過には個人差があるためです。

発信するときに大切にしているのは、知らないことや想像に基づく内容を伝えないこと。ネット上の情報について真偽が分からない場合もあるため、自分たちが経験したこと、確認できたことを中心に発信しています。


「自分たちの場合はこうだった」と、一つの経験として残す。

その距離感を大切にしながら発信しています。



5.SNSの向こう側に、同じ病気の家族がいた

Instagramで発信を続ける中で、同じ病気の家族や、ムコ多糖症を疑っているご家族からDMが届くようになりました。情報不足を感じている方から相談を受けることもあります。

そうしたつながりをきっかけに、現在は約30人が参加するLINEグループを...



※会員登録をいただくと、はやとくんご家族の

インタビュー記事の続きを読むことができます。


プロフィール設定の”関心のあるもの”より「インタビュー」をご選択ください。

ログインする


ムコ多糖症Ⅱ型 はやとくん ご家族インタビュー 第1・2回も掲載しています。


▼ムコ多糖症Ⅱ型 はやとくんのSNS

https://www.instagram.com/8810ayaka/

インタビュー・作成
一般財団法人 日本患者支援財団 運営事務局